シラス(白砂、白州)は、九州南部一帯に厚い地層として分布する細粒の軽石や火山灰である。鮮新世から更新世にかけての火山活動による噴出物であるが、地質学においてはこのうち特に入戸火砕流による堆積物を指す。古くは白い砂を意味する一般的な言葉であり、現代でも東北地方においてはこの意味で使われる。【ウィキペディア フリー百科事典より】
シラス台地とは、鹿児島県と宮崎県にわたって広く分布するシラスからなる火山性台地です。数万年から数千年前の火山噴火による火砕流で流れ出た膨大な噴出物が冷えて固まったものです。シラスはマグマが岩石となる前に粉末となった物質であり、養分を持たない「原始的な土」ともいえるものなのです。
南九州のシラスは、水はけがよるぎるため稲作には向いておらず、さらに土砂崩れなどの災害を引き起こすため、地元の厄介者と嫌われていました。しかし、地元では田んぼにシラスを散布する習慣があり、その土壌でできたお米が美味しいことから、その要因を東京農業大学との共同研究で究明し、シラスは非常に有効な土壌添加資材となることが判明しました。シラス土壌栽培の農作物は、地元特有のノウハウとしてブランド化され、ここでしか手に入らない農作物として注目されています。
また、鹿児島県の志布志市は古くから「水が美味しい土地」として有名です。鹿児島は、ミネラルウォーターの生産量第4位。「飲まずには通れぬ水がしたたる」と俳人・種田山頭火が詠った、シリカを多く含む霧島連山の名水は有名ですね。南九州地方特有の広いシラス台地で自然濾過された、ミネラル分の高い美味しくて綺麗なお水です。